
■シロアリの群飛イメージ
本来、シロアリの生息域は森林やサバンナなどで、人とは緩衝しない。
そして、大量に発生しても誰も見向きもしない枯れた木を
他の生物と競うことなく ひっそりと食している。
枯れ木を燃やさずとも分解して土に返してくれるなら 益虫ともいえなくはないが、
好き嫌いが多く、セルロースであればどれでもOKというわけにはいかないため、
分解の効率が悪く、自然界の全セルロース分解の1%未満にも満たないといわれている。
やはり、彼らは害虫なのである!シロアリの最大の特徴は、真社会性の昆虫であるということだ。
(真社会性=高度に社会制を進化させたもので、「不妊カースト制」をもつ)シロアリの社会は巣から飛び出した羽蟻の雌雄がペアになって、
地上に舞い降りるところから始まる。
人間で言う、イザナギとイザナミやアダムとイブがシロアリにも存在する。
・・・女王蜂一人で新しい群れを作る蜂の社会より知能が高く、人間社会に近い・・・
彼らは王と女王になり、交尾、産卵を繰り返す。
女王は卵巣の発達から、腹がふくらみ、種類によっては元の大きさの数倍になるものもいる。
子供は、親シロアリと同じ形で生まれる。
・・・これも、昆虫というより、人間や動物に近い・・・
その中から、カースト分化がおこり
・・・固体それぞれの能力に応じて成長の過程で社会的地位が決まる・・・
・・・なんと!ほとんど人間そのもの!!・・・
職階級 (働きアリ)、
兵階級 (兵隊アリ)さらに次世代の
生殖階級になる若虫等が生じる。

■働きアリの仕事・・・巣の建設。食料を運ぶための道路やトンネルの建設。
シロアリは攻撃能力が低く、肉食昆虫に狙われる存在であることから、
特に兵階級の任務は重要で、外敵を防ぐための戦闘能力の高いものが必ず必要となった。
人間の軍隊と同じように、巣を攻撃された時に応戦するばかりではなく、
調査隊や食料調達隊の護衛をすることもあるらしい。

■兵隊アリに守られて、遠征に出かける働きアリ
職階級と兵階級に分化したもの達は 一生涯暗い巣穴から出ることがないため、
目もなく、生殖能力をも捨てて自分の仕事に適した体に変化していく。生殖階級は群れがある程度大きくなった段階で生まれる。巣の規模が大きくなってくると、子供達の中には、ニンフと呼ばれる階級を経て羽蟻となるものが現れる。
これが、生殖階級。
生殖階級のシロアリたちは、安全な地下街から、兵隊アリも伴わず、
危険に満ちた巣外に飛び出し、群飛する。
巣を出たシロアリの中で、新しい世代のアダムとイブになれるのは一組あるかないか。
全員死んでしまうこともある。
大きな夢を実現するチャンスと自由を得る代わりに、大きなリスクを背負うか
目をなくしても、安定した暮らしを求めるか・・・・なんだかなあ・・・・
まれに、女王や王が何らかの理由でいなくなった場合、前記の課程を経ずして、
子供達の誰かが、副女王や副王になり、群れを引き継ぐこともある。
シロアリは高等シロアリと下等シロアリに分けられる。 高等シロアリと下等シロアリの大きな違いはセルロース消化生理にある。下等シロアリは腸内に原生動物やバクテリアが共生し、
それらの助けを借りてセルロースを消化しているのに対し、
高等シロアリは共生する原生動物なしで、もっと複雑な仕組でセルロースを消化できる。
日本本土にいる
ヤマトシロアリやイエシロアリは下等シロアリに分類される。
そのため、互いに餌を口移しで与え合ったり、他個体の糞を口にしたりする。
これによって、腸内微生物を共有する。
高等シロアリにはユニークな生態のものがあり、中にはキノコを栽培するシロアリもいる。
日本では
八重山諸島にいるタイワンシロアリが有名である。
これらの生態を考えるとシロアリは昆虫の姿こそしているが、
地底人に見えてくるから不思議だ。
彼らの頭の良さと彼らの進化した社会、これこそがシロアリ最大の弱点であり、
人間がシロアリの攻撃を受けないための糸口となると思う。↓ブログランキングに参加しています。応援宜しくお願いします↓

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面白いブログありがとうございました!!